2007年 04月 23日
ルイス・アームストロングというアメリカ人で、ツールドフランスを制した世界的な選手がいる。 これは彼の自伝。 彼は母が17歳のときの子供で、両親は彼が2歳のときに離婚した。若い母親に愛情をこめて育てられたが、家計は苦しかった。15歳になって大人にまじって自転車競技に参加しはじめた彼は地元で頭角をあらわしていく。やがて国際的に活躍するようになった彼は、21歳で史上最年少の自転車世界選手権優勝を果たす。 順風満帆に見えた彼の競技人生だったが、25歳のときに睾丸癌と診断される。検査の結果癌は肺と脳にまで転移しており危機的状況であることが判明する。医者からは生存の確率はきわめて厳しいことが知らされるが、手術と化学療法をへて、彼は死の淵から生還する。 紆余曲折をへて自転車競技に復帰した彼は1999年のツールドフランスで個人総合優勝をはたす。この本が書かれたのが1999年ごろで、けっきょく彼はこのあとツールドフランスを7連覇して現役を引退する。 ルイス・アームストロングという個性的な人物の半生を読むという楽しみと、癌の闘病記という側面、そして自転車競技についてのさまざまなこと、それら三つの要素が含まれている、一粒で三つおいしい、そんな一冊である。 自転車が好きな人はぜひ。そうでない人でも十分楽しめる本だ。 なんといっても原題は "It's not about a bike." (バイクのことではない)だから。 ちなみに「マイヨ・ジョーヌ」とは、総合タイムトップの選手が着ることのできる黄色いシャツのことだそうだ。
by goofy-ride04
| 2007-04-23 22:36
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