2007年 04月 17日
UEFA 06-07 チャンピオンズリーグはついにベスト4が出揃った。 そのうちなんとイングランドから3チーム。プレミアシップファンの私からすると最良の結果である。この3チームはリーグでも1-3位に位置しており、4位に甘んじているアーセナルは蚊帳の外といった状況だ。 さて、次のセミファイナルのカードは、チェルシー vs ミラン、マンチェスター vs リバプールとなる。おもしろいのは、もし決勝のカードがチェルシー、マンUになれば、彼らはあわせて3つのタイトルを争うことになる可能性がある、ということだ。ひとつはすでに対戦が決まっているFA杯の決勝である。そしてプレミアシップで現在首位のマンUと2位のチェルシーはわずか3ポイント差でリーグのタイトルを争っている。(3位のリバプールはもはや優勝の可能性はない。)そしてすでにリーグ杯のタイトルをとっているチェルシーは4冠の可能性を残しているということになる。 さて準々決勝を振り返ると、やはりマンチェスターとローマとの一戦が一番印象に残る。プレミアで絶好調の攻撃陣をローマがいかに封じ込めるのか、が最大の見所とふまえて試合を見た。もちろんスカパーでの観戦である。 ローマでの1st Leg はローマが2-1で勝利した。驚いたのはローマの組織力だ。今、最も危険な男、近い将来バロンドールを獲得するであろうクリスチアーノ・ロナウドをはじめとしたマンUを見事に整備された守備で封じ込め、失点をロナウドからのカウンターからの一点のみにしてホームでの初戦を乗り切った。ローマは中田が所属していたスクデットを獲得したときのチームよりも、組織力という点では上回っているように思えた。おそるべし、スパレッティ。名波のいたベネチアをはじめとした弱小セリエAクラブを残留請負人としていくつも率いて、スキンヘッドをなでながら強豪チーム相手に大変な思いをしながら勝ち点をかすめとっていた頃が嘘のようだ。今年もインテルに独走を許してはいるものの、ミランのいぬ間にローマに2位を確保させている。 1st Leg でルーニーのファインゴールで貴重なアウェーゴールを得たマンチェスターだったが、ホームに帰っての試合はかなり難しいものになるかもしれないと思わされた試合だった。 そして、マンチェスターのホーム、オールドトラッフォード、シアター・オブ・ドリームスでの 2nd Leg を迎えた。ローマはトップ下に位置する Taddi が負傷により欠場。解説によるとかなり重要な選手であるとのことだった。それでも、世界でも有数の良質なファンと設備、そして歴史を有するオールドトラッフォードでの試合の入り方としては実に悪くない試合の入り方をしていた。1点を失っているとはいえ、まだ1点のアドバンテージがある。ナーバスなアウェーチームが落ち着かないうちに先制攻撃を仕掛けて主導権を握ろうとするホームチームに対して、じっくりと対応して最初の10分を無難に乗り切ってみせた。しかし、そう思った矢先の前半12分。マンチェスターの技巧派キャリックのミドルがローマのゴールを陥れる。極めてあっさりと。ロナウドがドリブルから真横に意外性のあるパスを出し、そこに走りこんだキャリックが素晴らしいミドルを決めたのだ。そして17分。カウンターからのゴール。決めたのは帰ってきたアラン・スミスだ。カウンターのお手本のようなほぼダイレクトでつながったボールを最後に冷静に決めてみせたスミスのゴール。 ローマは焦っただろう。当たり前だ。短時間で合計スコアを3-2とされて逆にリードを許してしまったのだから。盛り上がるスタジアム。再度のキックオフでローマは明らかに攻め急いだ。そして、予感は実にあっけないほど的中する。キックオフから2分経過するかしないかのタイミングで、またもカウンターからのルーニーの3点目。シアター・オブ・ドリームス、夢の劇場はその名に恥じない華麗なショーを惜しげもなく客に披露する。そしてこのあと赤い悪魔はさらにゴールを重ね、ローマの反撃をデ・ロッシのゴールのみに抑えて、最終スコアは驚愕の7-1。 結果的に分かったことだったが、やはり地力の差が出たというのもあるが、ローマの選手層の薄さが大敗の最大の原因だったと思う。このレベルの試合に出れる選手がベンチにほとんどいなかったローマは、試合の展開に応じて選手を替えるということができなかった。本来であれば例えば2失点した状況で選手やシステムを変えることで早い段階でゲームを失うことは避けられたはずなのだ。もちろん、Taddi がいなかったことも大きな要因なのだろう。運動量の豊富な彼がいなくなることで初戦で見せたあの組織力に大きな亀裂が入ったことは想像に難くない。あと、初戦に攻撃を封じ込められたマンチェスターのファーガソン監督がその反省をふまえて対応策を練り、それを実行し、それが功を奏した可能性は高い。もちろんファーガソンにしてもこれほどの大差がつくとは思いもよらなかっただろうが。しかし、マンUの前線の3人、ロナウドとルーニー、そしてアラン・スミス、この3人の顔つきは全員悪童のそれで、ロンドンのストリートにいたら誰もが危険な存在だと思うだろうな。警官は職質するの間違いないし、その間警棒から手を離すこともない、そんなかんじだ。 そんなマンチェスターだがw、リーグ戦そのままの攻撃力を見せつけた彼らが決勝に進むのは間違いないと思う。(リバプールもかなり好きなのだが、総合力でマンチェスターに敵うとは思えない。) 個人的には絶対ミランには優勝させたくない。リバプールとミランという2年前の決勝カードの再現でミランがリベンジならず、というのも楽しいが、やはりマンチェスターとチェルシーが一番楽しみな組み合わせである。 いずれにしても、おもしろくないサッカーのチェルシーとミラン以外の優勝を望む。となるとマンチェスター、リバプールの勝者に勝ってもらいたいということになる。まあプレミアファンなのでチェルシーでも、まあいい。ミランはダメ!イタリアサッカーつまんねえ!ひとまず準決勝でチェルシーに勝ってもらわないと。 今から準決勝、決勝が楽しみである。 最後に、あれだけの大差ですでに試合が終わっている状態にも関わらず、ローマのトッティは最後まで良いプレーを続けていた。(もちろんトッティだけではないが)、若い頃の彼ならとっくにイラついてカードをもらったり、プレーに精彩を欠いていたかもしれないが、このゲームのトッティは最後まで力を尽くして良いプレーを続けていた。成熟した素晴らしい選手に成長したのだとこの試合で実感した。
by goofy-ride04
| 2007-04-17 21:40
| 蹴球
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